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R_Strauss_Capriccio600.jpgリヒャルト・シュトラウス最後のオペラ「カプリッチョ」- - - [音楽が先か言葉が先か] という舞台芸術における永遠の問いかけを軸に、オペラの舞台と実生活である裏舞台が同時進行する小粋な作品です。ちょっと哲学的な会話を織り込んで進行するオペラですが、シュトラウスの美しい音楽と明晰な演出のおかげで意識の寸断を伴うことなくすんなりと最後まで観賞できます。

中心人物であるマドレーヌを演じるルネ・フレミング、女優のアンネ・ゾフィー・フォン・オッターの女性陣がやはり素晴らしい、気品と迫力を感じます。舞台監督役のフランツ・ハヴラータ (Franz Hawlata) の存在感が全体を引き締めています。

舞台設定は1775年のパリです。時はまさにオペラ界がピッチンニとグルックの両陣営に分かれて論争を繰り広げていた頃ですね。劇中にこれらの作曲家の名前も出てきますし、フランスのリュリ、ラモー、特に後者は天才という台詞が飛び出します(個人的にはリュリが好きですけど)。
イタリアオペラを代表する形で登場するイタリア人歌手の歌は時代設定とは関係なく、ヴェリズモ風アリアで始まり、ワーグナーのような音楽に変化します。

このオペラの聴き所はやはり後半部分で、"Holà, ihr Streiter in Apoll!" から始まる La Roche の演説 (?) 、美しい間奏曲、そして終幕に至るマドレーヌのモノローグです。この部分はよくソプラノによって取り上げられますね。曲想は愛そのものでありながら、内容は音楽と詩との間で揺れ動く心、しかしその裏には現実の愛の葛藤が潜んでいるという凝った内容です。しかし、そういった難しさを一切感じさせないのがシュトラウスの音楽の力でしょう。

演出:ロバート・カーセン
指揮:ウルフ・シルマー
パリ・オペラ座管弦楽団
2004年7月2、6日(パリ・オペラ座)

TDK TDBA-0125

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